2023年8月21日 ナブテスコ・テクノロジー・ベンチャーズ(NTV)は、地中貯留に対する監視システムを開発するSpotLight社に出資しました。NTVにとっては、急成長するCO2回収・貯留(CCS)業界への初めての出資となります。

自動車や産業機械から排出されるCO2を分離回収し、地中に貯留する技術である CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、パリ協定の1.5 度目標の達成に向けた重要な対策の1つとして、世界各国の電力・石油・ガス等のエネルギー業界で導入検討が進められています。SpotLight社は、NTVをはじめ、Industrya、Emerald Technology Ventures、Phaze Ventures、AFI Venturesが参加した610万ドルの資金調達ラウンドにより、本監視システムの開発・実用を加速させ、環境フットプリントの削減を目指すCCS産業ユーザーの獲得を目指します。

SpotLight社のCEO Habib Al Khatib氏は「カナダとデンマークでのプロジェクトの成功によって、当社の革新的技術に対する需要が急速に高まっていることを実感しています。今回の資金調達はまさに理想的なタイミングであり、NTVをはじめとする投資家の支援により私たちはさらにこの市場で成長していきます。同時にNTV、Nabtescoは、私たちのモニタリングシステムを活用してCCS産業に参入することが可能になるでしょう」。

CCSの導入に不可欠なCO2地中貯留の監視については、従来、地下貯留データの把握に多数のセンサーを分布することで多大なコストが生じており、コストの抑制が課題となっています。フランス・マシ―に本社を置くSpotLight社は、独自のデータ分析手法によるシミュレーションを併用することで、大きな投資を必要とせずに安定的かつ正確なデータを取得することを実現しています。これにより生態系を破壊する可能性のあるボーリング調査などのフィールドワーク活動を最小限に留めることも可能としました。

CCS産業は今後数年で飛躍的な成長を遂げると言われています。ある試算によるとすでに計画されているプロジェクトだけで、2023年から2030年の間に毎年27%増加すると予想されています。また、日本でも最近政府が発表した7つのCCSプロジェクトがネットゼロ目標の達成に役立つことが期待されています。日本におけるCCS産業は、大きな可能性を秘めた市場として発展しており、SpotLight社の革新的なシステムは、最適なソリューションとして、NTV、Nabtescoの今後の発展に大きく寄与することでしょう。今回の出資を通じ、社会課題であるカーボンニュートラルの実現に積極的に取り組み、地球温暖化への解決に貢献してまいります。

 

グリーンサンド・プロジェクト: デンマーク西海岸沖、ベルギーから船で運ばれたCO2を貯蔵(写真提供: SpotLight)

 

SpotLight社について

SpotLight社は、2017年にElodie MorganとHabib Al Khatibによって設立されたディープテックの地球物理学のスタートアップです。CCS(CO2地中貯留)施設への信頼性高く、環境に優しい、費用対効果の高い監視を可能にする独自の環境モニタリングシステムを開発しました。このソリューションは、既にカナダとデンマークで導入され高い評価を得ています。現在、SpotLight社は自社が開発した監視システムがCCS地下監視の標準となることを目指して市場シェアを拡大しています。詳細情報は、www.SpotLight-earth.com をご覧ください。

 

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