造船・舶用機器業界においても、船舶のスマート化や脱炭素化が強く求められております。スマート化は、コンピュータによる集中管理・集中制御や自動化を実現する技術です。脱炭素化については、一昨年、国際海事機関(IMO)でGHG(温室効果ガス)削減戦略が採択されて以来、ゼロエミッションに向けた動きが加速しております。このような社会の要請に対し、当事業は船舶、舶用機器や船舶関連システムの技術革新に、これまで培った技術・経験を活かして取り組んでまいります。
電子制御油圧バルブは、電子制御エンジンに搭載され、燃料噴射ならびに排気弁の動作を精密に制御します。燃費向上や高効率運転のみならず、NOx排出量低減など環境規制対応にも欠かせない製品です。
主要製品
主機遠隔操縦装置(M-800-V)は、船舶の主推進機であるディーゼルエンジンを船橋(ブリッジ)や制御室から遠隔操縦する装置であり、回転数の指令を出すほか、状態監視を行います。最新ネットワーク機能に加え、液晶タッチパネルを採用することで操作性・ 拡張性に優れたシステムです。
主要製品の社会的価値
海運は他の輸送手段に比べて一度に大量の物資を運ぶことができ、単位輸送当たりの環境負荷が少ない輸送手段です。しかし、一方で新興国の発展により海上の荷動きは増加しており、そのためCO2排出量が増加しています。当社は安全性、信頼性が高く、環境性能に優れた舶用機器を提供しており、当事業の主要製品が導入された船舶が環境に与える負荷を低減し、また船舶の安全運行、安全かつ安定的な海上物流に貢献しています。
市場占有率:舶用エンジン制御システム 国内シェア 約50% 世界シェア 約40%
さらなる成長への取り組み
外部の研究機関との共同開発を進め、市場ニーズの変化に柔軟に対応した電子化、環境対応製品の創出に取り組み、お客さまのクリーンで安全な運航に貢献していきます。また、日本、中国、韓国の三極生産による地消地産などで、さらなるQCDSの向上を目指します。
MROにおいては、日本・オランダ・シンガポール・韓国・中国の拠点におけるグローバル・24時間体制を強化するとともに、製品の故障予知リードタイムやコストを短縮できる新メニューの開発など、MRO需要を捕捉するような取り組みを推進していきます。