船舶運航のデジタルトランスフォーメーション（DX）による
海運業界における自律航行と二酸化炭素排出量削減、環境負荷の低減に向けた開発とアジア市場開拓を支援
2021年7月23日、Nabtesco Technology Ventures L.P.（General Partner：練馬 洋、以下「NTV」）は、AIによる船舶最適航路選定・状態監視ソリューションを開発するギリシャの R.K. Deep Sea Technologies Ltd.（以下「Deep Sea」）のシリーズA フィナンシャル・ラウンド（以下「ラウンド」でリード・インベスターを務めました。
海運業界が、脱炭素化とデジタル化に進む中、Deep Seaとナブテスコ㈱舶用カンパニーは、ビッグデータに基づくAIの海運業界での実装を主導します。今般、Deep SeaはNTVはじめ多くの投資家の出資を受けて、その財務状態は堅固となり、研究開発を促進するとともに、ナブテスコ㈱舶用カンパニーとの協業により、アジア市場へ進出します。
今次ラウンドでは、前回ラウンドからの出資者であるイギリスのETF Partners（以下「ETF」）に加えて、ギリシャのThe Signal Group（以下「Signal」）、そして、最大の出資者且つリード・インベスターとしてNTVが加わりました。
NTVは、東証1部上場の産業機器メーカー、ナブテスコ株式会社（本社：東京都千代田区、社長：寺本克弘、以下「ナブテスコ」）のコーポレートベンチャーキャピタルで、ファンド・コミットメント額は75百万ユーロです。本件も含めNTVの投資実務は、環境技術投資に多くの経験を持つスイスのEmerald Technology Ventures（以下「Emerald」）が行います。
ナブテスコ船用カンパニーは、舶用エンジン遠隔制御システムで世界市場シェア約40%を占め、業界を牽引しています。
Signalは、海運事業を最適化するためのSaaSであるThe Signal Ocean Platformなどを開発する、ギリシャ海運業界のテクノロジー＆データソリューション・プロバイダーです。
ETFは、ヨーロッパで有数のサステナビリティに特化したベンチャーキャピタルファンドです。2005年の創設以来、気候変動や環境問題を解決する最先端技術スタートアップへ投資しています。
Deep Sea共同創設者CEO Roberto Coustas（ロベルト・クスタス）は、「今次ラウンドの成功をとても嬉しく思います。我々のミッションである海運業界の持続的成長の実現に向けて、業界のメジャープレーヤーであるナブテスから信頼と協力を得たことは、弊社にとって大きなモチベーションとなりました。国際海事機関（IMO）においてGHG（温室効果ガス）削減戦略が採択されて以降、船舶効率向上に関する弊社技術への関心が高まっており、今後、高い成長が期待できます。またナブテスコとの協業により、アジアでの市場拡大が確実なものとなるでしょう。そして弊社のAI技術がアジアの海運事業者に高付加価値をもたらすことを確信しています。今次ランドにより弊社は、グローバルプレーヤーとして成長し、顧客のパフォーマンス向上と最適化を実現します。」
Deep Sea共同創設CTO Konstantinos Kyriakopoulos（コンスタンティノス・キリアコポロス）は、「厳しい技術検証を経て、ナブテスコのような船舶機器技術のリーダーから信頼を得られたことは、船舶最適航路選定モデルを今までにない正確さで作成でき、また10％以上のコスト・CO2排出量削減が即座に達成できる我々のAIが高い価値を持つ証しです。ナブテスコのバックアップとグローバルな投資家であるETFやEmerald、さらに海運業界向けAIのパイオニアであるSignalのサポートのおかげで、ビックデータによるアプローチという我々の手法は、海運業界が現在、直面している環境問題を克服する最善の方法だという信念が更に強まりました。ナブテスコが持つ、海運分野におけるスマート化や、ロボティックスなどに関する膨大な経験・専門知識とSignalの市場分析力を我々のAIと組み合わせて、船舶運用における最適化を行い、更なる革新を進めていきます。」
NTVジェネラルパートナー 練馬 洋は、「Deep Seaへの投資は、有望なスタートアップを発掘し、才能、やる気あふれるスタートアップを支援するという我々の目的と一致しています。Deep Seaは、海運業界の未来を変える革新的技術を開発しており、その技術はこの業界が直面する厳しい環境問題を克服する手助けとなります。またナブテスコがDeep Seaのパートナーとして、共にアジア市場拡大を推進出来ることをとても嬉しく思います。」
Emerald モビリティ・海運業界スペシャリスト Mehran Zaker（メラン・ザケール）は、「海運業界の持続的成長達成に向けて、変革を実現出来る革新的技術が開発されていることを目の当たりにしました。NTV・ナブテスコと共に、Deep Seaのグローバルな成長をサポートできることをとても嬉しく思います。」
左から：ETF Partnersマネージングパートナー Rob Genieser（ロブ・ジェナイザー）；NTVジェネラルパートナー 練馬 洋；Deep Sea共同創設者CEO Roberto Coustas（ロベルト・クスタス）；Deep Sea共同創設者CTO Konstantinos Kyriakopoulos（コンスタンティノス・キリアコポロス）；Emerald モビリティ・海運業界スペシャリスト Mehran Zaker（メラン・ザケール）；Signal Ventures副社長 Nikolas Pyrgiotis（ニコラス・ピルギオティス）；Deep Sea事業開発部長 Symeon Chatzigeorgiou（シメオン・カッテゴールジア）；Ireon Venturesプリンシパル Hector G. Kimonides（ヘクター・G・キモニディズ）
Deep Sea Technologies (Deep Sea)
海運技術、特に最適航路選定・状態監視を専門とする企業。海運業界におけるソフトウェア、ハードウェア、AI分野で深い専門知識を持つメンバーは、海運業界の脱炭素化実現に向けて、ビッグデータを活用したAIによって業界を牽引する先進的な製品開発に情熱を持って取り組んでいます。また船舶運用における効率性を高め、CO2排出量を削減するソリューションを提供しています。詳しくは、www.deepsea.ai を参照下さい。
Nabtesco Technology Ventures (NTV)
NTV（本社チューリッヒ）はナブテスコのコーポレート・ベンチャー・キャピタル（CVC）です。2018年に75百万ユーロ（100 億円）のファンドを設定し、広義のモーションコントロール技術に関連するスタートアップへ継続的に投資するとともに、スタートアップとナブテスコの間の共創を進めています。ナブテスコグループの国内外ネットワーク、生産技術や品質管理ノウハウを活かして、スタートアップの事業成長を支援します。詳しくは、www.nabtesco-ventures.com/ja および www.nabtesco.com/en を参照下さい。
Emerald Technology Ventures (Emerald)
Emeraldは、技術革新のパートナーとして多くの実績を持つグローバルなベンチャーキャピタル。チューリヒ、トロント、シンガポールに事務所があります。2000年の創設以来、70社以上のテクノロジー企業と５つのファンドを設定、これまで500件以上のスタートアップへ投資しました。また、シンガポールやスイス等の政府系ファンドの受託運用も５案件、これまで100件以上のスタートアップに融資保証を提供しています。オープンイノベーションパートナーとして豊富な専門知識を駆使し、数多くの多国籍企業の持続的成長戦略を支援しています。専門分野は、エネルギー、水、産業IT、最先端材料、リサイクル、モビリティ、ロボティックス、農業など。詳しくは、www.emerald-ventures.com を参照下さい。
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